2010-04-16

比較優位と絶対優位

Twitterでも「比較優位」と「絶対優位」を混同する人を時々見かける。
絶対優位とは「A君がB君よりもCをするのが得意」ということで 、対して比較優位は「A君のほうがB君よりもCをする機会費用が低い」ということだ。
機会費用は「ある事をするために、失ったリソース」だ。
1時間勉強するときに失われるのは、「その1時間でできたはずの他のこと」だ。
300円のチョコレートを買ったときに失われるのは「300円で買えたはずのもの」であり、「健康」だ。
比較優位と絶対優位の違いを具体例で説明しよう。
A君は1時間に10匹の魚を釣れる。その1時間で木の実を20個拾うこともできる。
B君は1時間に5匹の魚を釣れる。木の実を7個拾うこともできる。
A君はB君よりもたくさん魚を釣れるしたくさん木の実を拾える。
このとき、A君はB君に対して魚釣りと木の実拾いに絶対優位を持つという。
A君のほうが魚釣りも木の実拾いも得意なのだから、A君とB君が協力してもA君は得をしないかというと、そうでは無い。
A君が魚を1匹釣るたびにに2つの木の実を失う(=機会費用)。
対してB君は1.4個失うだけですむ。
このとき、A君はB君に対して木の実拾いに比較優位を持っている/B君はA君に対して魚釣りに比較優位を持っているという。
ここで、須田仁之氏(@sudax2000)がTwitterで「B君には木の実を浪費しないスキルがあるんだなぁ」と発言していたが、これは勘違いと言わざるを得ない。
時間は有限だ。魚釣りも木の実拾いも同時にすることはできない。時間というリソースはできるだけ多くの収穫を産むものに費やすべきだ。
本題に戻ろう。
1日8時間労働として、A君とB君が2時間魚釣りをして6時間木の実拾いをして自給自足するモデル、A君が8時間魚釣りをしてB君は8時間木の実拾いをして収穫物を分け与えるモデル、逆にA君が8時間木の実拾いをしてB君が8時間魚釣りを分け与えるモデル、の3つを見てみよう。



最初のモデルでは、A君はなかなか良い暮らしをしているが、B君はA君の半分以下の収穫しか無い。
2つ目の分配後のモデルでは 、魚の量は増えているが木の実の量が減っている。これでは合計の収穫が増えているのか減っているのか分からない。ここで、機会費用を使った換算をしてみよう。なお、わかりやすくするためにそれぞれがそれだけをとったもの(2つ目のモデルではA君は魚、B君は木の実。3つ目のモデルではA君は木の実、B君は魚。)に換算する。
A君: 60+28×0.5=74 自給自足の場合: 20+120×0.5=80
B君: 28+20×1.4=56 自給自足の場合: 42+10×1.4=56
これによって2つ目のモデルは自給自足モデルよりも収穫が減っていることがわかる。
では3つ目のモデルはどうだろうか。
A君: 120+25×2=170 自給自足の場合: 120+20×2=160
B君: 15+40×0.7=43 自給自足の場合: 10+42×0.7=39.4 ※自給自足の場合の収穫物を求める式が変わっているのは、換算する方向を変えたから。
3つ目のモデルでは、A君B君ともに収穫が増えている。

機会費用が異なるとき、取引をすることで利益を得られる。

まとめ: ある人と比べて自分がすべて劣っていたとしても落ち込むことはない。その人と協力すれば、自分もその人もハッピーになれる。

0 件のコメント:

コメントを投稿