2010-06-29

結婚の役割

結婚の役割とはなんだろう。

子どもを産み育てるのは、女性に非常に負担がかかる行為だ。妊娠してから子どもがある程度自立するまでに5~10年かかる。その間は女性の自由が奪われる。そのため、女性は相手の男性が自分を養ってくれるという確証がなければ子供を産み育てるインセンティブが生まれない。
結婚は、男性が女性に子どもを産んでもらうために行うコミットメントなのだ。

では、子供を産まない場合の結婚の役割も考えてみよう。
子供を産まない場合には同棲だけでも充分そうなのに結婚をするのはなぜなのか。
それは同棲よりも結婚している方が優遇されるからだ。世間からの風当たりもなく、税/各種保険の負担も軽減されるなど、さまざまな利点がある。

結婚の役割について考えるとき、次のエントリはとても参考になる。
結婚と市場 - 経済学101

2010-06-27

いじめの経済学

いじめるのもいじめられるのも、一見理不尽に見えるが、その裏にはとても合理的な理由がある。
いじめられっ子の特徴としては「コネクションが少ない」ということが挙げられる。友達が少ないので、コネクションが幅広いいじめっ子との関係を絶つと、自分の友達関係も縮小してしまう。
いじめっ子は、所属している共同体への忠誠心を示すために共通の「いじめる対象」をいじめる。そうしなければその共同体から外されてしまうからだ。
ここでy.kanedo(@Kanedo394)氏に「いじめられる側が好きでやってるわけはないですが、いじめる側に好きでやっている中核派と、被害者になるのが嫌でやっている人の二種がいるのは確かですな」と指摘されたが、好きでいじめている「中核派」の数はとても少ないと感じる。
大半のいじめっ子は「いじめられる側」に回りたくないがゆえにいじめているのだ。

この「いじめ問題」を解決するには均衡をずらす必要がある。
どのようにずらすかについては議論の余地がまだまだあるが、私が有効だと思うものの1つに青木理音(@rionaoki)氏が提唱している「学校の流動性を高める」がある。
具体的には、転校を容易にするのだ。「逃げる」という選択肢が用意されていることは、子どもの心を軽くすることにもつながる。

まとめ: いじめを無くすには均衡をずらして、いじめるインセンティブを無くさせる必要がある。

2010-06-25

自由と責任


@GkEc 今思いつきましたが、問いの立て方が良くなかったかもしれません。「どうして自由に責任が伴うのか」ではなく、「自由に責任を伴わせるとどのようなメリット・デメリットがあるのか」の方が答えやすいかもしれません。なんだか経済学っぽいですしw9:31 PM Jun 15th via web
これに従って、自由に責任を負わせることのメリット・デメリットについて論じていく。
その前に、「自由」と「責任」の定義についてはっきりさせておこう。
自由とは個人が他人から強制されずに自発的に契約することであり、責任とは結んだ契約を確実に履行する義務だ。契約というのは、口約束などの軽いものも含まれる。
ここでの定義に対する反論は多々あるだろうが、このエントリの本題はそこではないので了承頂きたい。
デメリットを見ていこう。
自由に責任を負わせると、責任を負うコストを考慮して、責任を負わされなければ行われたはずの取引が行われなくなる可能性がある。
自由に責任を負わせないと、契約が履行される可能性が低いため、誰も契約を結ぼうとしない。結果的に自由は失われる。
自由に責任を負わせることによる取引の損失が限定的なのに対し、自由に責任を負わせないとほぼ全ての取引の機会が失われる。
メリットは上記のデメリットの逆なので省略する。
自由に責任を負わせないことは自由に責任を負わせるよりも損失が大きいのは明らかだ。なによりも、責任を伴わない自由は自由を殺してしまう

まとめ: 責任を伴わない自由は自由を殺す。自由を守るためにも、自由には責任を付属させることが必要だ。

2010-06-23

購読RSS一覧


(皆のRSSリーダーのなかのとっておきをこっそり教え合いっこしようぜ…!!)7:38 PM Jun 8th via TweetDeck
ということで、自分が購読しているRSSを記しておく。ご参考までに。
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2010-06-21

末っ子が甘えたがりな理由

総じて末っ子は甘えん坊だ。我が家でも、弟(小5)の甘えん坊レベルが自分が小3のときと同じくらいで心配している。
それではなぜ末っ子は甘えん坊なのなのだろう?
実は、末っ子が甘えん坊なのでは無く、上の子が甘え足りていないだけなのだ。
上の子は、「自分は末っ子とは違う」というシグナルを送りたがる。みなさんも、「自分を良く見せたい」と思って背伸びをしてみたことがあるだろう。それと同じようなものだ。
その結果、上の子は末っ子ほど親に甘えなくなる。

まとめ: 末っ子が甘えたがりに見えるのは、上の子が背伸びしているから。

2010-06-19

校則の厳しさを決めるのは何か

学生の頃、一度は「なんでこんなに校則が厳しいのか」と考えたことがあるのではないだろうか?
生徒側から見れば厳しすぎるように見える規則。学校に菓子を持っていってはいけない理由も、教師のインセンティブを考えればきちんと説明出来る。
生徒が問題を起こすと教師の責任に帰属されるため、教師には生徒に問題を起こさせないインセンティブが強い。
問題を起こさせない最も簡単な方法は「問題が起こる要因を排除する」ことだ。具体的には、校則を厳しくすれば良い。
しかし、校則を厳しくしすぎると生徒や親からの反発が大きくなってしまうので、最も反発が少なく問題が起きる可能性が低くなるように校則は設定されている。学校によって校則の厳しさがバラバラなのはこのためだ。

まとめ: 相手の行動が不可解だと思ったら、まずは相手のインセンティブを考えてみよう。

2010-06-17

[書評] 知性の限界

知性の限界

先日書評した「理性の限界」の続編。内容は、前回よりさらにパワーアップしている。

  • 異なる言語でも同じ言語であっても2人以上の間で言語の意味が完全に一致することはあり得ない。例えば、私が「デスク」だと思ってもあなたは「テーブル」だと思うかも知れない。翻訳は言葉の適用範囲を狭めているだけであって1対1の翻訳は不可能。
  • 何かを指さしたとしても、それが何を指しているのかを知ることは不可能。例えば自分の知らない言語の話者が机を指さしていたとしても、それは机ではなく色や材質や一部分を指しているのかも知れないからだ。
  • 未来予測ができるとして、その未来を変えることができるならもとの未来予測が間違っていたことになるというパラドックスが生じる。
  • 全体の流れはある程度予測できるが、個々の事象は予測不可能。
  • 神が存在しているとしても存在していないとしても矛盾が生じる。
など、興味深い話題が盛りだくさんだ。

この本が教えてくれるのは、実は「答えは存在しないかも知れない。しかし考えることは楽しいことだ。」ということなのかも知れない。

2010-06-15

あいさつの経済学

子どもの頃、学校や家庭で「あいさつをきちんとしなさい」と言われたことがある人は多いだろう。
なぜあいさつをしなくてはならないのだろうか?
その答えは、あいさつは「あなたのことを気にしていますよ」というシグナルになるからだ。
このシグナルを発することによって地域社会から「一員」として認めてもらえ、地域社会で生きやすくなる。
逆に言うと、あいさつをしないのは、「気にされたくない」というシグナルを発しているのだ。
「泥棒しようとしている人にあいさつをするとその泥棒はそそくさと帰っていく」というたまに聞く話も、あいさつをシグナルだと解釈すると説明がつく。気にされていると、他人の家に侵入できないからだ。

まとめ: あいさつは相手のことを気にかけているシグナルになる。

2010-06-13

資本主義と自由

先週の火曜日(6/8)から金曜日(6/11)にかけて行われた資本主義に関する議論まとめ:
資本主義と自由 - Togetter

この議論を見返してみて気づいたのだが、私を批判している人たちは「市場=株式/為替市場=金持ちのもの」という捉え方をしているのに対し、私は「市場=取引の場全般」を指しているという違いがある。
私が資本主義が良いと主張する本当の理由は、すべての人に平等にチャンスを与えるからだ。生まれたときに金持ちの家に生まれるか貧乏な家に生まれるかで機会格差が生まれると批判する人がいる。もちろん、金持ちか貧乏かでスタート地点に「不公平」が生まれてしまうのは認める。しかし、競争相手が常に存在している資本主義体制では、金持ちもその地位は安泰では無いし、貧乏でも這い上がることができる。
あるひとつのポイントだけを見ると「資本主義の悲劇」に見えてしまう。例えば20世紀初頭に苦しい生活をしていた労働者たちだ。彼らは「冷酷非情な資本家に搾取」されていたように見える。しかし、彼らの苦労なしに今の豊かさは無かっただろう。彼らの苦労を肯定しているように見えるかもしれないが、他にどんな選択肢があったのだろう?
100年前の話だけど、アメリカの労働力の40%以上が農業に従事していた。それが今や3%以下だ。子供たちは、世紀の替わり目に農業の生産性を改善するテクノロジーのせいで農場から追い出された。(中略)当時の子供たちや、さらにその子孫は、僕たちがそういう状況が起きるままにしておいたことを喜んでいるんじゃないだろうか。『同情』ゆえに、農業の改革をストップさせるという決断を下していたら、僕たちの生活はどんなに貧しくなっていただろう。(中略)製造業の雇用は削られ、そのかわりに、(中略)新たな機会が生まれている。1950年代以降、製造部門のすべての雇用を守ることにこだわって、工場の閉鎖を認めなかったとしたら、僕たちはどれだけ貧しくなっていただろう。今の子供たちに、雇用機会のほとんどは工場での仕事だよといったら、彼らはどう感じるだろう。もし現状を維持するような法律を作っていたら、製造業以外の分野で誕生した雇用やチャンスは、全く実現しなかっただろうね。(中略)進歩の名のもとに、じゃないよ。次世代の子供たちに、彼らのスキルを最大限活かすチャンスを与えるためだ。(中略)子供たちが、自分自身の選択によって、どのような種類の人生でも創り上げていけるようなチャンスを与えるのが目的なんだ。 - インビジブルハート P.226, 227
 私の資本主義に対する姿勢の基礎となっている書籍を2冊紹介する。
資本主義と自由 ミルトン・フリードマンの名著。具体例を挙げながら、「自由」の必要性、政府による規制の有害性を説いている。
インビジブルハート 上記の引用もこの本から。「資本主義と自由」をわかりやすく解説した本だとも言えるので、どちらも読んだことがない人はこちらを先に読んだ方がいいかも知れない。サラッと読めるのでおすすめ。詳しくは先日書評をしているのでそちらをどうぞ。

2010-06-11

ホタルと経済学

今週の日曜日(6/6)、大阪府吹田市の万博公園にホタルを見に行った。
発光するホタルはきれいではあったが、見ているうちにだんだんと目が疲れてきたし、目新しさも薄れてきたので、帰ることにした。
最初にホタルを見たときは、目新しさもあり、それにみとれる。しかし、ずっと見ていくにつれてだんだんと感動しなくなってくる。
つまり、ホタルを見ることに対しての感動が時間が経つにつれてどんどん減っていくのだ。だから、「Twitterをするよりホタルを見ていたほうが良い」と思っているうちに家に帰った方が、時間も無駄にしないし思い出にもなるので良い選択と言える。

まとめ: 飽きる前にやめるのが良い選択

2010-06-09

トイレのダブルブッキングを回避する

「トイレに入ろうと思ったら、すでに誰かが入っていた。」という経験はないだろうか?
今回はこれを解消する方法を書こう。
それは、トイレに入れる時間を1人づつに割り当てるというものである。
なお、この方法は、トイレ1つ当たりの人数が少ない場合しか機能しないと思われる。1つのトイレを10人20人が利用するのであればこの方法を使うのは現実的には不可能だ。1つのトイレあたり5人までが良いと思う。
4人家族が住んでいるマンションもしくは一戸建てで、トイレは1つしかない場合を例にとろう。毎時1~15分までは父、16~30分までを母、31~45分までを兄(姉)、46~60分までを弟(妹)にする。(順番は家庭事情に合わせて適宜変更)
この方法を採用すると、1,2時間に1度は「漏れそうになる前に行っておく」インセンティブが生まれるので、「漏れそうだから早くして!」という事態もなくなるだろう。

まとめ: トイレの時間を1人づつに割り当てることによって家族関係も良好になる

2010-06-06

[書評] インビジブルハート

インビジブルハート

これまで何百冊読んだ本の中でもベスト10に入る名著。
経済学は冷酷非情ではないことを再確認すると共に、経済学を学ぶ者が忘れがちな「経済学の目的」を思い出させてくれる。
本書は、サブタイトルの「恋におちた経済学者」でわかるように、「経済学恋愛小説」だ。「経済学を恋愛小説で説明している」のか「恋愛の重要な要素として経済学が出てくる」のかは判断しかねるが。

あらすじ
ワシントンD.C.の名門私立高校で選択科目として経済学を教える教師、サム・ゴードンは、同じ高校で英文学を教えるローラ・シルバーに恋をする。ローラとサムの意見は真っ向から食い違い、サムはローラと仲良くなるにはどうすれば良いのか苦悩する。これと並行して、ローラの意見を裏付けるものとして「利益至上主義」を批判するテレビドラマが進行していく。そしてサムは学校理事会との主義主張の相違から解雇決議を受けてしまう…。サムは戦うのか、それともすんなりと辞めてしまうのか。

特に、P.125からP.133にわたって繰り広げられる、ローラの兄、アンドリューとサムの自由な市場に関する議論は圧巻。
ここで、私のTumblrにも取り上げた、この本の中でサムが放った印象深かった言葉を引用する。
僕たちが人生を生きていくなかで、自分自身の選択を下す自由な人間として生きている実感を与えてくれるのは、市場の力なんだ。
僕はただ、世界をもっといい場所にする方法は一つではないと言うことを理解してもらいたいんだ
ただ一つ残念なのは、この本が既に絶版であること。中古でも図書館でも良いので是非入手してみて欲しい。