2010-06-06

[書評] インビジブルハート

インビジブルハート

これまで何百冊読んだ本の中でもベスト10に入る名著。
経済学は冷酷非情ではないことを再確認すると共に、経済学を学ぶ者が忘れがちな「経済学の目的」を思い出させてくれる。
本書は、サブタイトルの「恋におちた経済学者」でわかるように、「経済学恋愛小説」だ。「経済学を恋愛小説で説明している」のか「恋愛の重要な要素として経済学が出てくる」のかは判断しかねるが。

あらすじ
ワシントンD.C.の名門私立高校で選択科目として経済学を教える教師、サム・ゴードンは、同じ高校で英文学を教えるローラ・シルバーに恋をする。ローラとサムの意見は真っ向から食い違い、サムはローラと仲良くなるにはどうすれば良いのか苦悩する。これと並行して、ローラの意見を裏付けるものとして「利益至上主義」を批判するテレビドラマが進行していく。そしてサムは学校理事会との主義主張の相違から解雇決議を受けてしまう…。サムは戦うのか、それともすんなりと辞めてしまうのか。

特に、P.125からP.133にわたって繰り広げられる、ローラの兄、アンドリューとサムの自由な市場に関する議論は圧巻。
ここで、私のTumblrにも取り上げた、この本の中でサムが放った印象深かった言葉を引用する。
僕たちが人生を生きていくなかで、自分自身の選択を下す自由な人間として生きている実感を与えてくれるのは、市場の力なんだ。
僕はただ、世界をもっといい場所にする方法は一つではないと言うことを理解してもらいたいんだ
ただ一つ残念なのは、この本が既に絶版であること。中古でも図書館でも良いので是非入手してみて欲しい。

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