2010-07-30

[書評] 競争と公平感


競争と公平感

中身をつまみ食い:
  • 市場主義と大企業主義が同一視されたことによって反市場主義が生まれた。自由な競争を促す“下克上”の市場主義と、既得権を保護する大企業主義は全く違う。
  • 男性は競争を好むが、女性はあまり好まない。また、男性は競争下で生産性が向上するが、女性はそれほど向上しない。
  • 政府が持っているデータをインターネットで公開すれば、そのデータを研究者が分析し、政策の効果を測ることができる。
  • 市場競争は何でも解決してくれる万能薬ではないが、自分たちを豊かにしてくれる。しかし、市場競争は“つらい”ものでもあるので、メリットを忘れると競争への反発が高まる。学校教育でしっかり競争のメリットとデメリットを教えることが大切だ。
  • 夏休みの宿題を最後の方にやった人は中毒になりやすく、抜け出せなくなる可能性が高い。
  • 国全体の人口が高齢化すると、政府は年金などの老後福祉への支出を増やし、教育への支出が減る。若年層に不利な政策を減らすためには、未成年の親に子どもの数だけ追加の投票権を与えるなどの施策が必要。
  • 祝日が増えたことによって平日の労働時間が増えた。
  • 生産性を上げなかったり他人に迷惑をかける長時間労働を規制する仕組みづくりが必要だ。
  • 「目立つ」税金と「目立たない」税金の両方に注意を払う必要がある。
  • 損をしないためには経済学の知識があったほうが良い。
いろいろなデータ、それに基づく研究結果、そして著者の見解が見事にぎゅっと詰まっていて、とても中身が濃い1冊。
統計データとそれに基づく研究結果の紹介が主なので、あまり“楽しい”本ではない。しかし、興味深いトピックをたくさん扱っていて、かつとてもわかりやすく書かれているので、“経済”や“競争”といったワードに反応した人は読んで損はしないだろう。

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