2010-08-31

[書評] ランズバーグ先生の型破りな知恵


ランズバーグ先生の型破りな知恵 スティーヴン・ランズバーグ著
日常の疑問を費用便益分析と外部性の考えを用いて直感とは反する答えを導きだす本。
本書も、原題のMore Sex Is Safer Sexにあるように、最初に人を惹きつけるテーマを持ってきておいて段々とさらに重要なテーマを展開していくという、英語圏の経済学書によくある方法を採用している。
例えば、復讐は全く生産的な活動では無いが、復讐本能があることによってそれが強いコミットメントになり、抑止力につながるという面白い考察があったり、発展途上国の児童労働を禁止して代わりにきれいな空気や水や余暇を与えるのは途上国の人々のためにならないといった経済学の常識に近いものもある。
この本の後半は、豊かさと自由のトレードオフ、まだ生まれていない人間に対する配慮など哲学的な問題にも踏み込んでいて、経済学+哲学のような形になっている。
通常の経済学にも加え、「経済学者の倫理」のようなものの一片に触れることのできる、おすすめの1冊。

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