2010-12-30

対談@ライフネット生命&オフ会@丸の内


12月28日に東京へ行き、ライフネット生命副社長の岩瀬大輔(@totodaisuke)さんと対談させて頂いた。
私が経済学に興味を持った理由に書いたような話や、経済学とビジネスの関係、恋愛についてなどいろいろな話ができてとても面白かった。恋愛に関する話はあまり掲載してほしくない気もするが、同級生に見られなければ大丈夫だろう。
この対談は1月前半に現代ビジネスに掲載される予定だ。

対談後には丸の内でオフ会を開催した。
青木理音(@rionaoki)さんがノリのいい酒呑みだったり、@night_in_tunisiさんが超肉食系だったり、事前の噂通りのこともあったが、@ny47thが登場したときに本当に目を丸くしてしまった(@night_in_tunisiさん曰く、「風街(@kazemachiroman)を見たらもっとびっくりする」そうだが…)。
30人程いたので、残念ながら全員と話すことはできなかったが、各人が楽しく(アルコールを飲みながら)会話を楽しんでいたのが良かったと思う。非常に楽しく過ごすことができた。
今度大阪でもオフ会をやろうと思っているので関西在住の方は是非。

今回の東京行きはとてもいい経験になった。関係者各位本当にありがとうございました。


2010-12-23

こんにゃくゼリー規制


あまりにもアホらしいので:
こんにゃくゼリー:大きさなど安全性指標を公表…消費者庁 - 毎日jp(毎日新聞)
こんにゃく入りゼリーによる窒息事故は94年以降、少なくとも54件発生し、22人が死亡している。現行法では食品の形状や硬さなどを規制する法律はない。消費者庁は指標をメーカーに配布して自主改善を求めるとともに、この指標をベースに今後、法規制できるかも検討する方針だ。
54件と言われると多いように思えるが、確率的には極めて小さい。こんにゃくゼリー全体の年間売上は100億円(こんにゃくゼリー製造中止 - マンナンライフ、テレビCMで注意喚起も | マイコミジャーナル)で、マンナンライフのショッピングページを見ると12個入り191円のようだ。これを200円とし、蒟蒻畑の製造が中止以降の2009年と2010年をカウントせずに単純計算すれば100億÷200×12×14=84億で過去16年間に84億個食べられている計算になる。14億個食べられて9件しか窒息事故が起きないとは私にはとても素晴らしく思える。
こんなことを書くと「それでも実際に死者は出ている」という声も聞こえてきそうだが、どんなことにだってリスクは伴う。こんにゃくゼリーを食べることよりもリスクが高いことはたくさんあるし、それでもそんなリスクをとる人がいるのはリスクを上回る便益があるからだ。こんにゃくゼリーで窒息死する14億分の9の確率を超える便益を享受する人(こんにゃくゼリーが好きな人)は食べればいいし、そうでない人は食べなければいいだけの話で、国が規制するのは全くもってナンセンスだとしか言えない

2010-12-18

なぜ学校のトイレは汚いのか


なぜ学校の(男子)トイレというものはこんなにも汚いのだろうか。清潔好きの自分としては嫌でたまらない。
なぜトイレ掃除の担当の生徒は自分も使うトイレだというのにしっかりと掃除をしないのだろうか?
なぜなら、きれいなトイレから得る便益がトイレをきれいに掃除する費用を下回っているからだ。
それは私がトイレが汚いからといってトイレを掃除するわけではない理由でもある。
誰だって汚い掃除道具には触りたくないし異臭のするトイレに長くは居たくない。そうして汚いまま放置されると、トイレを汚す心理的なコストが下がるので(きれいなトイレはできるだけ汚さないように努力するが元から汚いとどうでも良くなる)、ますます汚くなる。
そんなトイレをきれいにするには、トイレ掃除の担当にインセンティブを与えるのが1番だ。例えば、トイレがきれいになるまで掃除をし続けなければいけないのであれば生徒もきちんと掃除をするようになるだろう。
しかし、そうしてトイレをきれいにしても、トイレ掃除の担当以外の生徒にはトイレをきれいに保つインセンティブがないためまた汚くなり、掃除担当の士気が下がるかもしれない。
学校をきれいにするのは並大抵のことではないようだ。

2010-12-14

[書評] その数学が戦略を決める


その数学が戦略を決める イアン・エアーズ著

本書は「ヤバい経済学」のスピンオフともいえる。ヤバい経済学が統計を使って「世の中」を描き出したのに対して、本書はその「統計(絶対計算)」に焦点を当てているからだ。

著者はまず身の回りで使われている絶対計算(Super Crunching)を紹介する。今年収穫されたブドウで作られるワインの品質を知る方程式、いくつかの情報を入力するだけで自分にぴったりの相手を紹介してくれる結婚情報サイト、もっとも安い運賃を提示してくれるサイト――。そのどれもがテラバイト級のデータを解析した結果に基づいているという。
次に、政府と医療現場での絶対計算の活用を紹介し、専門家と絶対計算のどちらが優れているか、絶対計算に対する専門家の抵抗を論じる。
そして、絶対計算を用いて消費者が不利益を被るケースがあるなど絶対計算には功罪両方があることを示す。
最後に絶対計算を使ってみるにはどうするかを書いている。

私が特に興味を惹かれたのは第5章だ。

第5章「専門家VS.絶対計算」では専門家と絶対計算を行うコンピューターが戦えば文句なしで後者が勝つと結論づけている。専門家がコンピューターの計算結果を考慮して判断を下すのではなく、専門家の意見を方程式に取り入れたコンピューターが決定するのだ、と。
では専門家の出番はどこにあるのか?
それは、直感で回帰分析で計算する変数を決めることだと著者は書く。

放射線医師のヤマ勘でしかなかったものが、結果として何十万人をも救うことになった。そう、演繹的な思考にもまだまだ大きな役割が残されているのだ。知に対するアリストテレス的なアプローチは今でも重要だ。物事の本質についてはまだ理論化が必要だし、推測も必要だ。だが昔は理論化それ自体が目的だったけれど、今やアリストテレス的なアプローチは、ますます出発時点の、統計試験の入力として使われるようになりつつある。理論や直感は、この世のフィンクたちにZを引き起こすのはXとYなのでは、と推測させてくれるかもしれない。だが(キャメロンたちによる)絶対計算が決定的な役割を果たし、その影響の有無と大きさを試験してパラメータ化するのだ。
理論の役割として特に重要なのは、可能性のある要因をとりのぞくことだ。理論や直感がなくては、どんな結果にもまさに文字通り無数の原因がありえる。 (P.214, 215)

ついでに、第8章「直感と専門性の未来」で紹介されている2SDルールとベイズ理論は役に立つこと請け合いだ。


2010-12-12

[翻訳] 教育が貧しい人の役に立たない理由


教育が貧しい人の役に立たない理由 by Tim Harford - 道草より転載。

学生たちは先月、学費の法外な値上げに対する抗議をするためにロンドンの路上に繰り出した。

彼らを非難することはとてもできないが、学費の値上げは彼らが主張するような大きな不正義ではない。もちろんそれはある意味で不公平だ: 早めに生まれた学生が払うのは少なくて済む。一部は何も払わなくていい。私のオックスフォード大学の教育は無料だった―私より10年弱早く生まれ同じ大学で同じ授業を受けたデヴィッド・キャメロンも―それに私は感謝している。

しかしその無料の教育は大きな社会の進歩の例だっただろうか? キャメロンの家庭はまったく貧しくはなかった。彼はオックスフォード大学の教育を十分に受けた。彼がその一部だけでも納税者ではなく自分自身で払うべきだったと提案することは本当にひどいことなのだろうか?

大学に通う30代以下のパーセンテージが1960年から2000年の間に5%から35%に―1990年代前半の間の急上昇とともに―上がったとはいえ、それは未だ比較的裕福な家庭の領分だ。経済学者のジョー・ブランデン(サリー大学とLSE)とスティーヴ・マシン(LSEとUCL)によると、この拡大は実際には豊かな子どもと貧しい子どもの参加ギャップを広げたという。(とても簡単に言うと、裕福な家庭の子どもだけが大学に行くが、かつては賢い男の子だけだったのが今は女の子や頭の鈍い男の子も行くようになっているということだ。)

要するに、大学教育は主として裕福な家庭の息子や娘に消費され、その息子や娘に自分たち自身が裕福になることを保証し他の人と結婚するのを助けるという主な役割を演じる役に立つ製品なのだ。これは納税者が提供するべきものを学生が要求するという特典だ。

もちろん、学費を上げることで大学進学をあきらめる学生も少しはいるだろう。私が読んだ、ビジネス・イノベーション・スキル省に委託され、財政学研究所と教育研究所の研究員が指揮した最近の研究は、年間の学費に5000ポンドを追加し安いローンで5000ポンドを調達することは高等教育の参加を約6%減らすというものだ。これは悪いニュースだ(そして高い誤りの余地を仮定している)。しかし退歩だろうか? 違う。

なにが腹をたてる対象が欲しければ、私なら学費なんか見ていなかっただろう。私は教育研究所のレオン・ファインスタインが作った小さなグラフ―生後22ヶ月、42ヶ月、5歳、10歳の子どもほぼ2500人に与えられた認知発達のテストを見せてくれる―を見ていただろう。最も賢い22ヶ月の労働者階級の子どもは専門家や経営者のもっとも頭の鈍い子どもに容赦なく追い抜かれた―7歳頃にははっきりと、10歳になると紛れもなく。

ジョー・ブランデンとブリストル大学のポール・グレッグとリンジー・マクミランによる調査はこれをはっきり示している。私たちは「所得の持続性」がイギリスでは高いことを知っている―平均より裕福な親はより裕福に育つ子どもを持っている。言い換えれば、社会的流動性は低いということだ。私たちは教育がこれに対して大きな役割を果たしているように見えることも知っている: 平等主義的な学校があるデンマークのような国の所得持続性は低い。ブランデン、グレッグ、マクミランは16歳のテストの成績を見るだけでこの所得持続性のほとんどを予測できることを発見している。

イギリスの教育の本当の問題は本当にとても早く始まる。比較的豊かな学生への学費の補助は解決策にはならない。貧しい子どもに16歳以降も学校にとどまるよう補助金を出せば役に立つかもしれない―とはいえ多くの人にとってもう手遅れだ―しかしこれは連立政権に潰されることが決まっている政策だ。過去10年にわたってこの国の教育制度の犠牲になってきたのは貧しい家庭の3歳と4歳なのだ。しかしよちよち歩きの幼児は抗議のために路上に繰り出したりはしない―それらの大義がどれだけ正しいかもしれないかに関わらず。

by Tim Harford

12月10日

(原文: Why education fails the poor)


2010-12-09

[翻訳] ガソリン価格の難解なパターンに対する説明


無いよりは遅いほうがマシ: ガソリン価格の難解なパターンに対する説明 by Steven Levitt - 道草より転載。

2年以上前、このサイトに僕が観察したガソリン価格の不可解なパターンについて投稿した。以下が僕が書いたこと:

U.S.A. Todayの「週末のガソリンゲージ」によると、レギュラーガソリンの今の平均価格は1ガロン当たり4.026ドルだそうだ。1年前は2.945ドルだった。

僕が気づいてなかったのは、レギュラーガソリンとプレミアムガソリンの間のギャップもまた広がっているということ。今、プレミアムガソリンはレギュラーガソリンに比べて1ガロン当たり38.5セント高い。(パーセンテージ法だとギャップは成長していないけど、僕には絶対値の差が―パーセンテージ法よりも―この問題を考える正しい方法に思える。)

なんでプレミアムガソリンは今日比較的高くなるべきなんだろう?

僕が次にこの現象に対しての数少ない可能な経済学的説明を提案するようになったけど、どれも特に説得力のあるものじゃなかった。僕はそれからブログの読者がより良い提案があるかどうか見るためにそれを公開した。

驚くべきことに、僕は先週―元の投稿から30ヶ月後―マシュー・ルイスというオハイオ州の経済学者からEメールを受け取り、彼はついに難問の真実の答えを明らかにした。

以下がマシューが言ったことだ:

研究プロジェクトで働いているうちにあなたの質問に対する答えを見つけたよ。結局それは奇妙な経済現象じゃなくて、全米自動車協会の一部のデータエラーだったんだ!

あなたが価格を知ったアメリカガソリンゲージは実際には全米自動車協会のウェブサイトから引用した価格を使っていた。全米自動車協会のサイトから過去のデータを取得して、彼らがレギュラー級の価格だけを正確に引用していることがわかったんだ。全米自動車協会は明らかにレギュラーに固定の比率をかけて並のとプレミアムの価格を計算していたらしい。過去5年間は10%という比率を(若干の丸め誤差がある)。もちろんこれは価格が上がったとき―あなたがちゃんとコラムで気付いたこと―に人為的に絶対値ベースで1ガロンあたり価格の上昇を招いている。全米自動車協会のサイトは単に並のとプレミアムの価格の悪いデータを提供するだけだ。ほかのソースを見れば、絶対的なガロン当たりセントの値上げは実際にはちょうど価格水準が変動しているときにそんなに変わっていないのがわかるだろう。並のが10セント高くプレミアムがレギュラーより20セント高いほとんどの場所では未だに一般的なルールがあるんだ。

マシューのこの難問への回答は僕を2つの感想に導いた。1つ目は、価格差は価格が変わっても一定であるはずだという基礎的な直感が確認された喜び。僕はおかしいなと思うデータを見るときにぴったりする理由があるとわかるのが好きなんだ。2つ目は、それが「多くの自由度」、例えばはっきりしないけど候補としてのたくさんの異なる説明があるところ、がある経済学のような訓練法の危険性を指摘していることだ。普通それは経済学者が想像可能な結果をだいたい説明するいくつかの理論的根拠示すことができることを意味する。しばしばそれは正しい説明にならないだろうけど、それを反証する方法がなくても、多くの人々はそれが真実だと納得してしまうんだ。

by Steven D. Levitt

12月6日

(原文: Better Late Than Never: The Explanation for a Puzzling Pattern in Gas Prices)


2010-12-06

マルチタスクかシングルタスクか


マルチタスクとシングルタスク、結局どちらのほうが効率が良いのかという以前から何度も議論されている話題について心理学者と経済学者の研究をティム・ハーフォードが紹介している:
One thing at a time, please
In 2006 Karin Foerde, Barbara J. Knowlton and Russell A. Poldrack, then psychologists at the University of California, Los Angeles, showed 14 people various shapes flashing on a computer screen while playing them low and high tones. In some experimental runs the subjects were asked simply to make predictions based on recognising patterns in the shapes; in other runs they also had to count the number of high tones.
2006年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校の3人の心理学者が、14人の被験者に対して、コンピューターのスクリーン上に様々な形のフラッシュを濃いトーンと淡いトーンで映し出すという実験を行った。1つのグループには単純に形のパターンを基に予測してもらい、もう1つのグループにはそれに加えて濃いトーンの数も数えてもらった。
The result was fascinating: on the multitasking runs, people were perfectly good at making predictions on the fly, but couldn’t then explain the underlying patterns, or apply them flexibly in other contexts. The technical term for this is that their “declarative learning” was stunted by the distraction. In short, multitaskers seem competent at the time but may not be taking much away from their experiences.
実験の結果、マルチタスク組はすぐに予測をするのが得意だったが、基礎的なパターンを説明したりそのパターンを他のコンテキストに柔軟に応用することができなかったという。
The psychologists’ lab isn’t well-suited to testing that hypothesis, but there is a new working paper from three economists, Decio Coviello, Andrea Ichino and Nicola Persico. They studied the caseload of 31 judges in a specialised court in Milan, who over five years dealt with over 58,000 cases. Because of the way cases are randomly assigned, and a rule stating that cases must open no later than 60 days after assignment, some judges find themselves with many more cases open at the same time. Coviello and his colleagues find that judges who have been obliged to work on many cases in parallel take longer to complete similar portfolios of cases. One implication is that the 60-day rule probably slows the average case down rather than speeding it up.
次にハーフォードは3人の経済学者の研究を紹介している。
3人はミラノの専門裁判所の31人の5万8000もの案件を扱ってきた裁判官を調べた。案件はランダムに振り分けられ、割り当てられてから60日以内に裁判を開かなければいけないので、裁判官は同時に開かれたたくさんの案件に判決を下すことがある。そして、並行してたくさんの案件を裁かなければならない裁判官は似たような案件の集まりを仕上げるのにより長くかかることを3人は発見した。このため案件の早期処理を目的とした「60日ルール」が逆に遅くしている可能性もあるという。
The message for the rest of us is that Publilius Syrus was right about multitasking. One thing at a time is best. The exception, I suppose, is if you’d rather not remember what you’re supposed to be doing. No wonder so many of us check our BlackBerries in meetings.
最後には皮肉を効かせている。
1度には1つのことしかしないのが1番良いようだ。

2010-12-05

給食費滞納問題の問題


給食費滞納問題の問題 - Togetter

上記の議論では複数の論点が整理されずにそのまま論じられているのですれ違いが生じている。
論点は大きく以下のように分けられる。

  • 給食費の滞納は「悪い」ことなのか
  • 現在の未納率は大騒ぎするほどの「問題」なのか
  • 給食費滞納を減らすにはどうすれば良いか
  • 給食費滞納問題は「モラル」の問題か「経済学的」問題なのか
  • そもそも給食費を徴収する現在のシステムは効率的なのか
1つずつ論じていこう。

給食費の滞納は「悪い」ことなのか

私は給食費の滞納を「悪い」とすることには賛成だ。本当に「悪い」事なのかどうかは置いておくとしても、少なくとも「悪い」としておいたほうが給食費の未納を減らせるであろうことに疑いの余地はない。

現在の未納率は大騒ぎするほどの「問題」なのか

現在の未納率は約1%(給食費 半数超の学校で未払い NHKニュース)だそうだ。これはそれほど多い数値には思えない。滞納がゼロになることはないし、ゼロにするには徴収コストが追加徴収額を上回ってしまう。

給食費滞納を減らすにはどうすれば良いか

「日本人のモラルの低下!」と騒いでも何の問題も解決しない。
給食費の未納を減らしたいのならば、罰則を設けるなどして給食費を支払うインセンティブを調整するべきだろう。罰則を設けることで「モラル」は低くなるかもしれない(罰則があるから仕方なく払うだけになる可能性がある)が、この程度で日本人全体の「モラル」に影響が及ぶとは考えづらい。

給食費滞納問題は「モラル」の問題か「経済学的」問題なのか

上のTogetterでは私が経済学的にこの問題を捉えること自体に嫌悪を示す人もいた。「モラル」からの視点だと、給食費を滞納する親がいること自体を問題とする。対して「経済学」からの視点だと、給食費を滞納する親が一定数いることを当然のことと受け入れた上で、どのようにそれに対処するのかを考える。前者が否応なしに「これは問題」と決めつけるのに対し、後者は「そもそもこれは問題なのかどうか」から考察を始める。後者のほうが建設的な姿勢だと私は思う。

そもそも給食費を徴収する現在のシステムは効率的なのか

これについてはかなり疑わしい。給食費の徴収コストを考えれば、子ども手当を減額するなどしてその分で給食を無償化したほうが良いだろう。

2010-12-01

[翻訳] 貿易は職を「略奪する」のか


貿易は職を「略奪する」のか by Don Boudreaux - 道草より転載。

セスストームはこの最近のブログ記事に批判的にコメントしていて、中国との貿易は「オハイオのような州の職の略奪を可能にした」と書いている。

以下はいくつかの感想とセスストームへの質問だ。

あなたの―セスストームの―意見は、オハイオの労働者は彼ら自身の職を持っているとほのめかしている。もしこれらの職が本当に現在彼ら自身に雇われているオハイオ州民のものだとしたら、これらの職は外国との貿易だけでなく、オハイオの職を減らすかもしれない変化からも守られるべきだ。

例えば、あるカリフォルニアのアルミニウム工場がより少ないコストで強靭かつ軽量なアルミニウムを製造する方法を考案したら、その工場のイノベーションは禁止されるべきだ。なぜなら、そのようなより低い価格で売られるより丈夫なアルミニウムは、自動車製造会社に自動車とトラックの製造で鋼の代わりにアルミニウムを用いさせることになるからだ。よって、そのカリフォルニアのイノベーションは少なくともいくらかのオハイオの鋼を製造している労働者に職を失わせる―それらの労働者のものだとあなたが感じている職を。そして、もしオハイオの職を減らす中国の製造者が窃盗なら、革新的なカリフォルニア州民もそうだろう。

もしくは、アメリカ人がよりコレステロールを意識するようになり、卵の消費を大幅に削減したと仮定してもいい。この消費者の需要の変化はオハイオの卵産業の職を減らすだろう。あなたは、卵の購入を減らした消費者がそれによってオハイオから職を奪ったと思うだろうか? アメリカ政府は消費者が卵の購入を減らすのを防ぐべきだろうか?

もしそうでないとしたら、あなたの主張している、アメリカの貿易が「オハイオのような州の職の略奪を可能に」しているとはどのような状態なのだろうか?

(訳注: 文中の「あなた」はおそらくセスストームのことを指しています)

by Donald J. Boudreaux

11月28日

(原文: Does Trade ‘Loot’ Jobs?)