2010-12-12

[翻訳] 教育が貧しい人の役に立たない理由


教育が貧しい人の役に立たない理由 by Tim Harford - 道草より転載。

学生たちは先月、学費の法外な値上げに対する抗議をするためにロンドンの路上に繰り出した。

彼らを非難することはとてもできないが、学費の値上げは彼らが主張するような大きな不正義ではない。もちろんそれはある意味で不公平だ: 早めに生まれた学生が払うのは少なくて済む。一部は何も払わなくていい。私のオックスフォード大学の教育は無料だった―私より10年弱早く生まれ同じ大学で同じ授業を受けたデヴィッド・キャメロンも―それに私は感謝している。

しかしその無料の教育は大きな社会の進歩の例だっただろうか? キャメロンの家庭はまったく貧しくはなかった。彼はオックスフォード大学の教育を十分に受けた。彼がその一部だけでも納税者ではなく自分自身で払うべきだったと提案することは本当にひどいことなのだろうか?

大学に通う30代以下のパーセンテージが1960年から2000年の間に5%から35%に―1990年代前半の間の急上昇とともに―上がったとはいえ、それは未だ比較的裕福な家庭の領分だ。経済学者のジョー・ブランデン(サリー大学とLSE)とスティーヴ・マシン(LSEとUCL)によると、この拡大は実際には豊かな子どもと貧しい子どもの参加ギャップを広げたという。(とても簡単に言うと、裕福な家庭の子どもだけが大学に行くが、かつては賢い男の子だけだったのが今は女の子や頭の鈍い男の子も行くようになっているということだ。)

要するに、大学教育は主として裕福な家庭の息子や娘に消費され、その息子や娘に自分たち自身が裕福になることを保証し他の人と結婚するのを助けるという主な役割を演じる役に立つ製品なのだ。これは納税者が提供するべきものを学生が要求するという特典だ。

もちろん、学費を上げることで大学進学をあきらめる学生も少しはいるだろう。私が読んだ、ビジネス・イノベーション・スキル省に委託され、財政学研究所と教育研究所の研究員が指揮した最近の研究は、年間の学費に5000ポンドを追加し安いローンで5000ポンドを調達することは高等教育の参加を約6%減らすというものだ。これは悪いニュースだ(そして高い誤りの余地を仮定している)。しかし退歩だろうか? 違う。

なにが腹をたてる対象が欲しければ、私なら学費なんか見ていなかっただろう。私は教育研究所のレオン・ファインスタインが作った小さなグラフ―生後22ヶ月、42ヶ月、5歳、10歳の子どもほぼ2500人に与えられた認知発達のテストを見せてくれる―を見ていただろう。最も賢い22ヶ月の労働者階級の子どもは専門家や経営者のもっとも頭の鈍い子どもに容赦なく追い抜かれた―7歳頃にははっきりと、10歳になると紛れもなく。

ジョー・ブランデンとブリストル大学のポール・グレッグとリンジー・マクミランによる調査はこれをはっきり示している。私たちは「所得の持続性」がイギリスでは高いことを知っている―平均より裕福な親はより裕福に育つ子どもを持っている。言い換えれば、社会的流動性は低いということだ。私たちは教育がこれに対して大きな役割を果たしているように見えることも知っている: 平等主義的な学校があるデンマークのような国の所得持続性は低い。ブランデン、グレッグ、マクミランは16歳のテストの成績を見るだけでこの所得持続性のほとんどを予測できることを発見している。

イギリスの教育の本当の問題は本当にとても早く始まる。比較的豊かな学生への学費の補助は解決策にはならない。貧しい子どもに16歳以降も学校にとどまるよう補助金を出せば役に立つかもしれない―とはいえ多くの人にとってもう手遅れだ―しかしこれは連立政権に潰されることが決まっている政策だ。過去10年にわたってこの国の教育制度の犠牲になってきたのは貧しい家庭の3歳と4歳なのだ。しかしよちよち歩きの幼児は抗議のために路上に繰り出したりはしない―それらの大義がどれだけ正しいかもしれないかに関わらず。

by Tim Harford

12月10日

(原文: Why education fails the poor)


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