2011-04-07

[質問] すべてが無料の世界はつくれますか?


すべてが無料の世界はつくれますか?
中山 浩成

そんな世界はつくれない。というより、そんな世界を作れば今よりもずっと貧しくなるだろう。
政府が全てのものを無料にしなければいけない法律を作ったらどうなるだろうか。
企業は生産活動をやめ、人々は自給自足に近い生活を送ることになるだろう。親戚の間で作った野菜を分けあったりするかもしれない。しばらくすると、物々交換が行われるようになるかもしれない。
モノが無料でなかったときよりもモノを手に入れるためのコストは増えるし、手に入れられるモノが減って貧しくなる。モノが無料でなかったときにスーパーで100円で買えた卵を手に入れるために卵農家で卵1個とキャベツ2玉を交換することになるかもしれない。
これでは全く「無料」とは言えないだろう。
さらに、物々交換だと、自分が持っているキャベツに対して、キャベツに卵1個の価値を見出していてしかも卵を持っている人を探さなければならない。
このように、需要と供給が一致しづらくなることによって効率性も著しく悪化する。

昨年、クリス・アンダーソンの「フリー」が話題になった。
Googleが無料でサービスを提供しても利益が上がるのはサービスを提供する人を1人増やすごとにかかる費用(限界費用)が非常に小さいため、無料にしてできるだけ多くの人に使ってもらい広告収入を得たほうが利益が上がるからだ。
しかし、卵の限界費用はGmailの限界費用ほど小さくはない。それが卵に「フリー」モデルを適用できない理由だ。

では政府が全ての生産物を買い取って無料で全国民に提供したら良いのではないか。(買い取るための財源については無視する)
それでも同じことだ。全てのものが無料で手に入るのに誰が働くというのだろう? 生産物を政府に売ってもその金を使うところがないではないか。
かくして、誰も働かなくなり、自分で作ったものを政府に買い取られないように隠し、裏物々交換が行われるようになる。

政府が強制的に人々を働かせ、その生産物を無料で皆に分け与えたらどうか。
それはただの共産主義に過ぎない。ソ連はとっくに崩壊している。

おそらく、全てのものが本当に無料になるのは、コンピューターが人間に取って代わり、働かなくても何でも手に入るようになったときなのだろう。

質問はq@gkec.infoまでどうぞ。

0 件のコメント:

コメントを投稿